しあわせの連鎖ーしあわせるーむ

しあわせを感じる力が、我ながら強いと思う。
人が、仮にしんどい、と思うことがあっても、わりといい方に捉えて、さっさと次に行ってしまっているようなところがある。

母と過ごす時間が長くなってきた。
頻繁に大阪に帰っているからである
先日など、野菜を買い込んで、野菜の下ごしらえをしていたら、高岡で教えてもらったことばかりしていて、なおかつ、富山での調理法を母に伝えていたりするからおかしい。
料理と私の関係は、葛藤の思い出でもある。
毎年、高校時代から、暮れには、おせち料理を作っていた。近くの本屋さんで、『きょうの料理』を買ってきては、「今年も腕を上げはるんやねえ。」と言われていた。叔母たちにとっても、長女の私が、母にとっては助かる娘であることが、どうも羨ましかったようで、暮れに、叔母が電話をしてきて、「真弓がお節料理作ってるねん。」と言ったら、男の子しかいない叔母は、羨ましがっていたらしい。

そんな、わりに料理の腕には自信のあったはずの私が、嫁に来た途端、すべてを否定された。
そう否定。
全部できないことにされた。大阪も否定。都会も否定。

相手がそうなら、私も否定すれば良さそうなものだけれど、お腹の中には可愛い赤ちゃんがいた。
どんなに否定されようとも、私は受容する方を選んだ。
すべてを、自分が知らないことを教えていただく、というほうに受け止めることにした。
もう、大阪の文化も、大阪で学んだことも、学問でさえ、もう、なかったことにすることに決めた。
でなければ、お腹の赤ちゃんのためにならない。

赤ちゃんは、まるまると太った、子ブタのような女の子だった。
何があっても、ワタシ、動じませんから!と言っているような女の子であった。
その後の彼女の人生を語っているかのように、何があっても岩のように強い。
かつて、お医者様からも、「しかし、あなた、しっかりしてるねえ。」と感心されたことがある。
彼女にどんな試練があっても彼女は、立派に乗り越えるだろう。
なんのせ強い。

赤ん坊の時から、目が合った人の目を見つめて、ニッコリ。まるでお世話してくれてありがとうね。とでも言うみたいに。

そんなこともあったなあ、と思いながら、母とキッチンに立って、子どもたちが、里帰りする度、実家のすり鉢を壊して帰ったと、母はいまだに笑っている。すり鉢の思い出は、母にとっては富山にいる孫たちとの思い出であるようである。
「あの形が、よっぽど気に入ってたんかなあ・・・。」と面白そうに・・・。

おとめ座の母。ついでにA型。息子も然り。
母と私は、感受性が似ていた。おとめ座と相性ばっちりの私。
母の季節を感じる感受性、言葉に対する繊細さを、私も引き継いだけれど、どうも、息子にも、そういうところがあるように思えてならない。
彼は、人が好きである。だから、信用している人に裏切られると、怖い。というより、辛そうで、こちらが切なくなる。
性格そっくりの親子である。人を嫌わないから、だから、人に嫌われるのも好きではない。
でも、それなりの仕事をすることになるなら、人に嫌われることを恐れていては、仕事にならない。

娘もA型。ただし私の上昇宮(生まれたときに上っていた星座)と相性がいいので、彼女の気持ちもよくわかる。
公明正大、という点で言うなら、彼女の魂の高さにはついていけない。

とりあえず、彼らがいたから、私は努力したんだなあ、という思い出話。
お料理が好きです!
と話すたびに、若い頃の葛藤と、努力を思い出す。

おかげで、どれほどのことを習得させていただいたことだろうか。
すべてを肯定的にばかり捉えるのも問題かもしれないけれど(今の社会の風潮ですね。)、自分を磨く砥石にしようと、本人が思うなら、それはそれで使える。
少々の理不尽さが、人を伸ばすこともあると思う。
何でもかんでも自分のペースに、人が合わせてはくれない。

いろいろ問題はあるにせよ、社会生活は進む。
社会問題として捨て置かないこと以外は、自分の心の持ち方で、なんとかなる部分もある。
そうして、なんとかしてはならない部分もあると思うのである。

それから、特に息子であるけれど、少しばかりの自虐もありつつ、自身を客観視している様子もあった。

その1パターンかもしれない。
私は、最近の自分の活躍?(単純に大阪行きの。)に対してご褒美が必要だわ、と思っていた。
バイオリンの曲のCDをアマゾンのカートにほしいだけ入れてみる。
結構な額になったので、そこでやめて、ほかになんかないかなー、と考えていた。
お洋服を買うのは、すべて仕事。自分がおしゃれしたいとはあんまり思えないタイプ。
キッチン用品大好き。

先日の大学出講の帰り、大好きなコーヒー豆屋さんに寄ったら、一目ぼれのコーヒーカップ。
最近波佐見焼のモダンなデザインに心惹かれていたのだけれど、カップは波佐見、ソーサーは有田、というおかしな組み合わせで、デザインは一緒。
その先に、何だか、ぞうさんだかブタさんだかわからない、面白いものを見つけた。
お店の人と、「これはなにかしらん?」と話していた。
お店の人にとっても謎だそうで、これを選ぶって、目が利くよね、なんておだてられたりして・・・。
私は、ドレッシング入れ、その方は、日本酒をちょっと飲むのにいいな、なんておっしゃっていた。

ついでにその方がお勧めしてくださった、ホームパーティー用の器がこれ。
その方が、私の話をきいて、これは?と持ってきてくださったのが、これだったのだけれど、なあんと、その方も気づかずに、実はすり鉢だったという話。
これでそのまま白和えつくってそのままテーブルに出したら素敵ね!という話になった。

それから、ちょっとお手軽に、やはり波佐見のお皿。
チキンとピーマンのシンプルな炒め物にも、なぜかよく合う。
とりあえず白和えを作りたい・・・。

昔の苦労への反撃?復讐?
いえいえ、思い出と感謝を込めて💛

苦労をしあわせにつなげるなら、しあわせるーむへどうぞ。