しあわせるーむを開いた理由―富山にいて相談を受ける私💛


昔から、相談されることが多かった。
相談というより打ち明け話と言った方が合っているかもしれない。

「まゆみちゃんにしかよう言わんねんけど・・・。」
「真弓ちゃんにやったら言える・・・。」

そんなセリフをどれだけ聞いてきたことだろうか。

四年前に学習塾を開いた。
新卒の高校教諭に始まって、社会人としては、予備校講師も塾講師も個別指導も経験し、小学生から浪人生まで、いやいや社会人の受験まで指導してきた。
自分らしく教育がしたい、と思ったときに、「ああ、もう自分で始めるしかないな。」と漠然と感じた。

初めは、淡々と大学受験指導をするのだろうか?と思っていた。
しかし、当初、集まってくれたのは、中学生の方が比率的に多かった。
そうすると、必然的に、面談が多くなり、子育て談議になり、果てはご家族の関係性までご相談を受けるようになった。

最近でこそ大学受験を目指す高校生や既卒生の割合が大きくなったが、さてさて心構えを、と話しても、やはり教科指導をしている関係で、結局成績を上げることに性急になって、こちらの話が通らないこともある。本当は、そこが分かれば、勉強の能率がとっても上がるんだけれどね!と思いながら、結局そこでやめなければならなくなる。不全感を残して。

小さいときからお預かりするのが理想的で、一緒にお子様を育てていきたい。

それから、お預かりして、受験前に、「いえいえ、もう、今は、成績を伸ばしてさえくれればいいです!」と言われて、いや、成績が伸びない原因がその後ろにあるからお話ししようと思っているのですが・・・、とお話ししたくても、関係性から、もう時既に遅し、ということがあって、無力感に苛まれることもある。
ならば、もう、いっそ、面談を独立させれば、真に教育について、あるいは人間の関係性や、学習や仕事におけるモチベーションを上げるお話もできるのではないか?と思ったのである。

私は、お話もよくするが、誰かに聞いた根幹となる、絶対に言ってはいけないことを、おもしろおかしく話す人間ではない。
だから、友だちでも、なかなか話せないだろうと思われるような相談をたくさん聞いてきた。
お父様を亡くした理由を、そっと手紙にして送ってきてくれた、古い友達がいた。誰かに話さなければ、重すぎて、抱えきれなかったのだろうと思う。
旦那様と結婚に至った理由を、今ならことさら隠すことでもないのに、私にだけ、と話してくれた友人もいた。ほかの子には言われへんねん、と言って。身体的な悩みを相談されて、アドバイスしたこともあった。
自分の子育て時代を考えても、話したくても話せない人、ことってたくさんあるんだろうな、と思う。

私は、気持ちをお聴きしたい。
そうして、その方が望まれることであるならば、解決の方向に導いていきたい。
でも、こちらがいくら正しい、とかいいことだ、と思っても、そんな気持ちになれない人には、ただただそっとそばにいて、お話しを聞かせていただくだけでもいいんじゃないかな、と思っているのである。
いっしょに、事理が至るまで、時を待つ相手であってもいいと思う。