オー・ヘンリー「最後の一葉」の思い出

よくわからず、自分にあたった作品ついての読書感想文を書かされたことがあった。
小学校4年生の頃のことである。

小学校四年生の時の担任の先生は、細かいことを言わない、正直、誰だって人間だから・・・、というようなところのある先生だった。

そのクラスは嫌いではなかったのだけれど、それとは別に大きな思い出がある。
そのクラスは勉強での思い出はあまりなかったけれど、どちらかというとクラスとしての思い出が多かった。

5,6年生のクラスでの出来事は思い出すのも嫌なくらいの、しっかり覚えていることが多かったけれど、4年生でのことは覚えていないくらい、そうそう嫌なことはなかったのだと思う。
その分、自分のその後に影響することは少なかったのかもしれない。

そんなクラスでのこと。
ある日の国語の授業で読書感想文を書かされた。
その、自分に課されたのが、オー・ヘンリーの「最後の一葉」だった。
当時は、そう面白みのある作品としてとらえられてはいなかった。
けれど、ここ数年、オー・ヘンリーは、私にとってはなかなか興味深い作家である。

自信が、銀行員で、事件を起こしたこともあるからか、人間のどうしようもない弱さであるとか、悲哀めいたものを描くのが、本当にうまい。

命がけで、病床にある女性を救うために、嵐の晩に、はっぱを描く年老いた売れない画家。
その女性は、自分の命を、窓から見える一枚の葉っぱに賭けていたのである。
あの一枚が落ちなければ自分の命も助かる、と。
その彼女の賭けに勝たせるために、命を賭して画家は葉っぱの絵を描く。
作家は、それが彼の一生で、最大の功績かもしれない、という評をしている。
なんとも哀れで切なくて、でも、じんわりと人間の温かさを描いた作品である。

つい担任の先生を思い出す。
じんわりと温かい人だったなあ。