数学とゴミ当番。

一昔前の男性によくあることだったと思うのだけれど、仕事と生活は切り離されて、分業状態だった人は多いと思う。
でも、私たち女性の場合、仕事は仕事、家の用事は家の用事などと切り離しては生きていけないものだった。
主婦など、家族に合わせてなんぼの仕事だし、当然細かいことをする処理能力は発達すると思う。

大学時代、部活の先輩から、雑用の神様、と言われた。
小さなこと、ちょっとしたことをサラッとこなすのがうまかった。
気付いたときにチャチャッとやるのが得意だった。
これは父のおかげかもしれない。
女は勉強の前に、しなければならないことがある・・・、みたいなところがあって、母もそれはそれで、ということで、中2の頃から妹と交代で食器洗いをするようになった。
あるいは家のお手伝いをすることを課されると、あなたは勉強しておきなさい、と言われるよりは、乗り越えなければならない制約が出てくる分、時間のやりくりがうまくなった。
就職して、まとまった時間が取れない場合でも、教材研究なども、細切れになっても、少しの時間があればする、というようにしていたので、自ずと集中力が高まった。

今日は、自宅の方の可燃物のゴミ当番だった。
準備は前日にしておくので、夜の指導と指導の合間に行ってきた。
今朝は、思い切り指導と被った。
9時半までに片付けなければならないのに、9時から12時までの指導だった。
時間割を組んでから、お当番を知ったので、変更するわけにいかなくて、生徒に過去問演習をしてもらっている間に、数分席を外した。
サラッと片付けてきた。
いつも思うのだけれど、結構ゴミ当番は重たい。
大したことではないと思おうとするのだけれど、結構気にしている。責任あるし・・・。
いつも終わってみたら、そうでもないな、ということを繰り返してきた。
でも、今日はそんなこと言っていられなかった。
授業を何とかしっかりしたものにするために、気にしている余裕もなく、ただただ、その時間にそこにたどり着いて、片付けるということだけを考えていた。
そしたら、なんてことなく終わった。
すぐに忘れてしまうくらい。

今日、教室の階段を上がりながら、思った。
こういうこと一つ一つを、どうってことなくサラッと毎回できるようになりたいな、と。
雑用ができると、切り替えが速くなる。速くないと雑用ができないし、すぐさま取り掛かって集中するので、自ずと切り替えが速くなるのである。
それでも、ときに、ああ、私、集中していないな、と気付くとき、だいたい、先のことを心配していたり、その時になればわかることを前々から気にしている(そのときには何もできないにもかかわらず。)。
今に集中することが一番人生において効率がいいと思っている。

それから、かつて教えていただいたことに、直感を信じなければ、迷いが生じる人は数学ができない、ということがある。
数学をやっていて思う。
そのときに集中すると同時に、気づくことを大事にし、でも間違っても、いつかわかるという、自分を信じる力。
数学を解いていると、その中に、その過程に、人生に必要なことがすべてと言ってもいいくらいに含まれていると思わされる。
数学は、楽しいと思って卒業させたいな、とつくづく思う。