ステキな人💛


その昔、私が、まだうら若き女子大生だった頃のこと。
阪急河原町駅で、電車が発車するのを待っていた(始発は発車待ちが長い。)ときのこと。
座ってぼんやりしていた私の目が、大きく開くような出来事があったのである。
正直、一瞬にして目を奪われた。

なんと、隣の車両から、なんともきれいな女性が現れたのである。

その方は・・・。
齢、おそらく80歳にまでは届くことはなくても、確実に70歳は過ぎておられたと思う。今だったらまだまだ70歳なんてお若い方だと思うが、当時は、立派なおばあちゃん、という年齢だったのではないだろうか。

目を奪われた理由・・・。
あまりにも素敵だったのである。
全体が淡い紫とピンク。
真っ白な、上品な白髪、というより、銀色の髪。
スリムなお身体に、ショートがとても似あっていて、おそらくは薄いパープルに白のブラウス、淡い上品なピンクのカーディガン。
背は、低くはないけれど、背筋がシャン!と伸びていて、でも、昔、バレーをなさってらした、などというような雰囲気でもない。
おまけにピンクのフラットシューズ。とってもかわいい。
爪にも上品なピンクのマニキュア。
もう、その方の世界が、おしゃれに表れていた。

そりゃあ、着倒れの京都ではあるけれど、こういうおしゃれを見たことがなかった。
おそらくは、ぜい肉をそぎ落としたようなお身体に、その淡く、上品なふんわり感が、絶妙なマッチで、雰囲気を醸し出されているのだろうけれど・・・。常識などは関係なく、もう、それはそれはその方に似合っていた。流行を追って、みんなおんなじに見える、女子大生なんて真っ青(時はバブル全盛期。ただし私には関係なかった。)。その方の世界観でのおしゃれ・・・。
おしゃれな人、というと、今でもその方のいでたちを思い出す。
正直格好良かった。
周りがどんな格好している?なんて、参考にしてませーん!という感じ。でも、自然体。

それから、梅田のステーキハウスで、母と妹と食事をしていたときに目撃した、ステキなご婦人、もう一人。
窓際の席で、かなり高齢の、でも、これまたスリムで、背筋の伸びたショートカットのおばさまが、ナイフとフォークを颯爽と使いこなし、腕もシャキシャキ、ステーキをもりもり召し上がっていたのである。
「うわー!カッコいいー!!」と感激する私。
母は、一人ではご飯を食べられない。
妹は、どちらでもないだろう。
結構、一人でお茶できたら、喜ぶタイプかもしれない。
私は、一定の期間で、一人になりたくなるタイプ。

ときどき、周りから求められることが多くて、つまりは、人と対する、あるいは世話する時間が長くなると、一人でどこかに行きたくなる時がある。
幼いときから、一人の時間が好きだった。
なんだか、よくしゃべって、いつでも人といたいタイプに見られ勝ちではあるけれど、そして、場が求められれば、盛り上げ役に徹することもあるにせよ、また、いつでも人に囲まれていそう、と言われて、いや、だからかな、一人でお茶、一人でご飯、も、好きである。

友だちにせよ、母にせよ、一人でご飯、に抵抗がある人がいて、なんで?と訊き返す。
寂しければ、そこのお店の人と喋ればいいんじゃない?と言ってみたり。
友だちの中には、一人で行ける穴場を探している人もいるけど・・・。

実は、その昔、両親と同居していたころ、妊婦でありながら、街中まで、ピアノの先生になるレッスンを受けるという名目で、一週間に一回、一人になれる時間があった。
その時のお昼は、街中で、一人で食べていた。
ちょっとお気に、のお店もあったりして・・・。
そのときに、私は、校則違反をする生徒の気持ちが分かったのであるが、その話はまた・・・。

とりあえず、格好よいおばさまたちとの出会いの話、でした!
格好いい先輩に出会えて、感激した若い頃の私💛