成人した息子・・・。ずいぶん前ですが・・・。

○○年前の今頃、私は彼に再会した。

というのも、たった4時間前に生まれた自分の息子と・・・。

よほど私の体調がよく思われたのか、ほかの方々のお世話に来られた看護師さんが、「赤ちゃん、持ってく?」と言われて、「いいんですか?」と訊ねた私に、彼は連れてこられた。

彼との再会の前に、私はちゃっちゃとシャワーを済ませて、ベッドの上に座っていたので、前日夕方に帰って、また来られたお向かいのベッドの妊婦さんのお母さまは、「まだ生まれへんのん?」とおっしゃって、「生んできました!さっき。」と答えて、「昨日と全然おんなじ様子で座ってるから、ほんまに嘘かと思た・・・。」と言われるというありさま。

そんなもん、大きな身体をした高校生を教え、姑に仕え、決して楽ではない夫の世話をし、なかなか気の張る集合住宅での生活をしていたことに比べたら、自分が出産、しかも何か問題があるわけではなかった出産の方が、ずっと楽だったし、それに、なんたって、あんな私とお揃えの「不細工な男の子」が生まれたんだも~ん!

大阪弁のこの「不細工」な奴をいじるのは、最高の愛情である。
京都から来た友達なども、「私、あの先生好きやったわ。めちゃくちゃ。不細工やけど・・・。」などと表現する。
最後に不細工やけど・・・、という言葉を聞けたら、ああ、めちゃくちゃ好きやねんな、と思う。

そうそう、生まれたときに、パパに似て、えらくはっきりした顔立ちをしていた娘とは違い、今度生まれた男は、どうも、私と同じ部類らしく・・・。
やっと生まれてくれたぜ!「不細工ちゃん!」

彼が来た。
なんと、粉を吹いたような顔。ほっぺに二筋・・・?

「あれ?」と一言発すると、看護師さんは、「そやねん。その子、泣いててん・・・。」
涙の跡だった。
彼は、ちょっぴり早く生まれてしまって(とはいえ、予定日より一週間既に経過していた。)、不安だったらしい。
本当に悲しそうに、ちょっとしゃくりあげている。
こんなあかちゃんに、感情があるのかしらん?

でも、やっぱり男の子である。
腕がたくましい。

よく泣くものだから、ずっと抱っこしていた。

ただ、こいつは私を裏切った。
日が経つごとに可愛くなって、妹など、小さな声で、「男前」と言ってくれた。
いやいやそうでなくていいって・・・。

奴はなかなかに男らしい男であった。
いやいや私の知る限り・・・。
それから口から生まれたような面白いことを言う。(笑)

どうぞ彼が、最近私がちょっぴり辟易している、自分に非があるときに、うまいこと口で相手が悪いかのような、あるいは、相手ができていないかのような論法を使ったりするような人間ではありませんように・・・。
人生の中で、何度か出会ったその論法。
社会人として、そんなことしたら、嫌われる、では済まない。
信用をなくす。
信用があれば、一生生きていける。

先日、「お金ではなくて、信用で生きていく時代。」と言った人がいた。
確かに信用があればお金も人も動くから・・・。

何はともあれ、「お誕生日、おめでとう!」である。
人の役に立って、周りの人から、愛される人であってほしい。
いつまでも。